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Canva 創造性・芸術 特別支援

Canvaを使った障害のある子どもたちの『できる』を広げる取り組み Canva×特別支援教育実践紹介&教材づくり

(寄稿)

関口あさか (特別支援学校 教諭)

前回のこちらの記事でご紹介した、障害のある子どもたちへのCanvaを活用した実践について、今回はより詳しくご紹介します。Canva認定教育アンバサダーの応募でも使用したスライドを一部使用(自己紹介のスライドは省きました)していますので、第2期の応募の参考になれば幸いです。

特別支援学校におけるCanvaの活用事例
Canvaで障害のある子どもたちの表現とデザインの可能性を広げる! ~特別支援教育におけるCanvaの活用~

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まめリスさん
まめリスさん
今回は、関口先生が実際に授業で使用した実践事例を紹介してくれるよ!
明日からの授業づくりで真似したり、参考にしたりしてみよう♪
ためカモさん
ためカモさん

 

できるところや得意なところをもっと伸ばして生かす

今回は、Canva(キャンバ)を使って実際にどのように授業に取り入れたり、指導しているのか、具体的な事例を紹介しながらお伝えしていきます。

どの事例でも、大事にしているポイントは、

ポイント

・できないことを無理やり頑張らせない

・できるところ、得意なところを生かしたり伸ばしたりする

です。

前回の記事でご紹介した通り、Canvaには、様々な障害のある子どもたちの苦手を軽減し、可能性を広げる要素がたくさんあるため、積極的に活用してきました。

今回は、2つの事例と、特別支援学校の先生の教材づくりでの活用についてご紹介します。

 

特異的なスキルをさらに伸ばして生かす実践

10年以上前から、サヴァン症候群の子どもたちの支援を行ってきました。その中には、人の誕生日を一度聞いただけですぐに覚えるだけでなく、西暦や元号もあわせて聞くと、その人が何歳になったのかわかる子たちがいました。

Aさんもその一人で、お友達や先生などの誕生日と年齢を覚えることができる才能を持っています。誕生日には「○○さん、△△歳、お誕生日おめでとう!」と伝えることもできます。

Aさんの才能をさらに生かして、気に入っているお友達や先生、家族に誕生日カードをデザインして贈る取り組みを行いました。

Aさんは、やり方の見本を一度見せるとすぐに覚え、一番初めの授業でこのようなバースデーカードをつくることができました。

そして、バースデーカードを相手に渡すことで、他の人とのコミュニケーションの機会も自然と増え、「ありがとう!これAさんが作ったの?すごいね!」などとほめられて、笑顔になっていました。

自分でデザインできたことや人から評価されたことが嬉しかったようで、次の授業には、バースデーカードを贈りたい人一覧を書いた用紙を持ってきてくれました。

 

本来の力を発揮できる実践

小学5年生のBさんは、漢字を書くことに苦手さがあり、正しく漢字を綴ることができませんでした。これまで何百回も努力を重ねて漢字練習をしてきましたが、一向に書けるようにならず、文章を書く速度も非常に遅い状態でした。

そのため、作文は1行も書けずに授業が終わってしまうこともありました。

そこで、学級新聞や掲示物をCanvaで制作する授業を行いました。

これまでは、1行しか作文が書けなかったBさんですが、SurfaceなどのWindows PCやiPadのキーボード入力(フリック入力も活用)で、2,000文字以上の文を作成し、とても魅力的な掲示物をたくさん作ることができました。

クラスのみんなからも、「Bさんは、学級新聞をつくるの上手!」と認められ、そこには『文が書けまいBさん』はいませんでした。

このように、学習障害のある子どもたちは、鉛筆で文字を書くこと自体が難しいだけで、語彙が少ないわけでも、文を記述する力がないわけでもありません。

視力が低い人は、視力が弱いだけで、目で見たものを理解して読み取る力がないわけではなく、眼鏡をかければその困難さは軽減もしくは解消されます。

眼鏡と同じように、書き障害のある子がPCなどのキーボード入力等を活用することで、本来の力を発揮できると感じていますし、今まで困難さがあるがゆえに文章を長く記述した経験がない子も、このような保障をしていくことで段々と記述する力もついてくると感じています。

 

1分で制作終了!?教材作成にもCanvaがおすすめの理由

Canvaを特別支援学校の先生におすすめしたい理由のNo,1は、教材づくりがとー------------っても楽ー-----!!!!という点です。

正直、学校の先生って本当に忙しいと感じています。授業準備、連絡帳の記述、児童生徒の指導や授業、下校指導、下校後の教室掃除や消毒、保護者対応、会議会議会議......と、いったいどうしたら17時ぴったりに帰ることができるというんだ...という日々かと思います(というか、痛感しています)。

その中で、子どもたち一人一人の知的発達やニーズに応じて、特別支援学校の先生はオリジナルの教材を作る必要があります。

そんな私たち教員の教材づくりの救世主が『Canva』です!!!

このような、プロ級のかわいい教材テンプレートが山ほどあります。さらに、無料で使える何十万とうイラストや写真素材が多数あり、必要に応じて(そのままでも十分なテンプレートも多いですが)写真やイラストを差し替えるだけで、早ければ1分で教材が完成します。

数年間Canvaを使用してきて見つけた特別支援向けのテンプレートの検索のコツは

🔎幼稚園

🔍kindergarten

🔍k-12

と以下のようにテンプレート検索をしてみると、たくさんの教材テンプレートが出てきますので、ぜひ試してみてください。

ちなみに、英語での検索の方がいろんな教材が豊富に出てくる印象です。

学校の先生なら、申請すれば、Canvaのプロ機能がなんと!無料で使えます。Canvaの教育者の申請は以下のリンクからできるのでチャレンジしてみてください。

教育者向けの申請はこちら

ためカモさん
ためカモさん
最後まで読んでいただきありがとうございました!次回もCanva×特別支援の情報を発信していきます。記事のシェアもいただけたら、励みになります。

 

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