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重度知的障害がある子ども向けの情報モラル・デジタルシチズンシップ教育実践例・ワークシートプリント

(寄稿)

重度の知的障害がある子どもへの情報モラル教育、デジタルシチズンシップ実践・ワークシート

関口あさか (埼玉県立特別支援学校)

今回は、前回ご紹介した以下の「知的障害のある子どもへの情報モラル教育」の中の、重度の知的障害(知的発達年齢が3歳から6歳程度)の児童生徒を対象とした授業実践例と、実際に使用したワークシートをご紹介します。ワークシートは無料でダウンロードできますので、必要に応じてご活用ください。

 

重度の知的障害がある子どもたちが抱えるトラブル

お友達のiPadを勝手に使ってしまう(貸してしまう)、親の忠告を無視して勝手にアプリやゲームをやってしまう、授業中に勝手にアプリをやってしまう、乱暴に扱ってしまうなどのトラブルが多く挙がりました。

先生たちからも、

・授業中に他のアプリをされたら困る

・壊れたらどうしよう...


 といった懸念事項が挙がりました。そこで、『使用する上での約束やルールとその理由』について学ぶことを大きなねらいとして授業を行いました。

 

⑵本時のねらい

・どのようなことに気を付けて学校でiPadを使ったらよいか考える

・お家の人と相談して、iPadやスマホ、ゲームの利用についてルールや約束を決める

 

学習内容・流れ

今回ご紹介する実践は以下のような流れで授業を行いました。

本時の主な流れ

①iPadの利用についてダメな例を示した短い動画を見る

②みんなでどうしたら良かったのか考える

③正解を確認する

④家でのルールを保護者と決める(宿題として持って帰り後日ワークシートを提出)

①iPadの利用についてダメな例を示した短い動画を見る

 

まず、 学校の先生たちが出演したiPadの利用に関する「こんな時どうしたら良い?」、「どう使えばよかった?」という短い動画を見ます。

 

例えば以下の動画は、友達にiPadを貸してと言われて貸そうとしたら、うっかり友達がiPadを床に落として壊してしまったという動画です。

ちなみにこの授業では、以下の動画を児童生徒に見せました。

児童生徒に実際に見せた動画

①友達にiPadやスマホを貸してといわれたら?

②ほしいアプリをダウンロードしたい時は?

③学校のiPadを乱暴に扱うと・・・

④iPadを授業中に使う時は、どう使ったら良いの?ルールを守れない場合は?

 

②みんなでどうしたら良かったのかを考える

 

ポイント

どこが良くなかったのか

どうしたらよいのか

の視点で子どもたち同士で意見を出し合いました。

授業時間を数コマ確保できる場合は、ワークシートにして、みんなで話し合う前に、自分の意見や考えを書く時間を確保するのもおすすめです。

③正解を確認する

次に以下のような正解の動画を見ます。

上記の動画は、iPadを貸して友達に言われて断っている動画ですが、断り方も正解は1つだけでなくたくさんあるため、さっき話し合ったことの中で動画とは違う素敵な考えや意見が挙がった場合は、その方法でも良いと伝えます。

④家でのルールを保護者と決める(宿題として持って帰り後日ワークシートを提出)

家でiPadやスマホ、ゲームを使う際の約束を決める『家でのお約束ワークシート』を配布し、お家の方と一緒に具体的にどう使ったら良いのか考えます。

 

ワークシートに沿って

ワークシートの内容・項目

・使う場所

・使う時間

・お家の人に聞いてから○○する

・してはいけないこと

の4観点で、具体的にお家の人とルールを決めていきます。

その日にすぐに先生は集めずに、一度家庭に持って帰ってもらい、保護者を含めた家族でワークシートの内容を確認してもらいます。

その後、一度学校に提出してもらい、担任はコピーを取り、原本は家庭に返却して、定期的にワークシートを振り返り、

・約束をしっかり守れているか

・修正したいところはあるか(子どもから)

などを確認してもらうようにしました。

 

 ワークシートのダウンロードはこちら

使用したワークシートを以下よりダウンロードできます。

無料公開しておりますが、学校での利用および家庭での利用を目的としており、商用利用は不可となりますのでご注意ください。ご利用前に必ずこちらをご確認ください。

このワークシートいいね!と思ったら、ワークシートのデータではなく、この記事ページのリンクをシェアしてください。シェア大歓迎です。

塾やお金を取るイベントやワークショップでの利用はお問い合わせより必ずご連絡をお願いいたします。

 

※このワークシートをダウンロードするには、以下のワークシートの画像かタイトルをクリックしていください。

知的障害がある子どものデジタルシティズンシップワークシート

iPadやスマホ、ゲームをお家で使う時の約束シート(ためカモ学びサイト)

 

参考

OCTくんと学ぼう (oct-kun.net)

 

教材提供者について

関口あさか先生

関口あさか

埼玉県の特別支援学校教諭。大学時代からサヴァン症候群の子どもの評価及び支援について研究し、特異的な才能を持つ子どもへの支援や指導を長年行ってきた。

イラストが得意で、Atelier Funipoという学校の先生が無料でダウンロードして活用できるイラストウェブアトリエの立ち上げ人(現在は代表を引退し、別の者が代表と運営を担っている)。

困難さのあるなしに関わらずアートの楽しさを体験できるワークショップなどを積極的に行っている。

ICTを教育現場に積極的に取り入れ、Microsoftより2015年からMicrosoft Innovative Educator Expertに認定され、2020年に日本で初めてMicrosoft Innovative Educator Fellowに認定された日本の先生6名のうちの1人。

TEDでの登壇映像はこちら

サヴァン症候群のサヴァン症候群の実態調査とその実践的価値
信州大学機関リポジトリ (nii.ac.jp)

 

Atelier Funipo代表

Atelier Funipo代表さん

Atelier Funipo2代目代表

挿絵担当

同じ大学のアート好きな同級生たちと一緒にAtelier Funipoを運営している

漫画と美術館が大好き

大学院時代はアートとは全く関係のない理系分野の研究をしていた

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