(寄稿) 関口あさか(特別支援学校 教諭)
この記事では、お子さんの知的発達に応じたアプリについて紹介していきます。
10年以上前から、幼児や障害のある子どもたちにiPadなどのICT機器を活用して教育を行ってきた関口先生に紹介してもらいました。
対象となるお子さんの様子
・イラストのマッチングができる
・白黒のイラストとカラーのイラストのマッチングや、図形のマッチングができる
・違うイラストでも、「鳥のイラスト」「バナナのイラスト」などそのモノを表すイラスト同士を集めることができる
ねらい
・物の共通点を見出し仲間を集めたり、共通点がない仲間外れを見つける力を育む
おすすめのアプリ
今回ご紹介するアプリの特徴は、
物の共通項を見出して仲間を集めたり、1つだけ違うものを探し出し、仲間外れのものを分けるところです。
すくすくプラス
5歳までの発達段階を踏まえた言葉と数を段階的に学べるアプリで、なんと無料!で使えるという素晴らしいアプリです!性能も高く、人気のアプリです。
ひらがな カタカナの練習 子供向け知育ゲーム すくすくプラス
PiyoLog Inc.無料posted withアプリーチ
Families 1
Families 1
MyFirstApp Ltd.無料posted withアプリーチ
ポイント
Familiesはイラストの仲間集めをするアプリです。上の写真のように、「風船」や「車」、「三角」などイラストは違うけれど言葉としては同じ意味のイラストをマッチングさせていきます。
非言語的で簡単な操作で課題を行うことができるため、言葉を話すことがむずかしいお子さんでも、抽象化やカテゴリーの理解につながる「仲間集め」を学ぶことができます。
Families 2
ポイント
先程ご紹介したシリーズ1よりもより抽象的になっています。虫、動物、海の生き物、水の上を浮かべて移動するものなどの用途やカテゴリーの概念が必要になってきます。
Sorting Game 1
Sorting Game 1
MyFirstApp Ltd.無料posted withアプリーチ
ポイント
このアプリでは、同じ食べ物やおもちゃ、乗り物をさらに細分化して、分けて並べていきます。これができるようになることで、物の用途理解、そしてカテゴリーの理解が進み、「お片付け」する力へと繋がっていきます。
言語のやり取りにおいてもこの用途理解やカテゴリー分けは非常に重要な力で、育みたい力のひとつです。
Sorting Game 2
Sorting Game 2
MyFirstApp Ltd.無料posted withアプリーチ
ポイント
シリーズ1よりも2の方がより抽象的な概念や物の特徴、共通項を見つけ、分けていく内容になっています。
様々な物を、色で分けたり、楽器、キッチンで使うもの、パン、くだもの、動物の生活している場所などに分けていきます。
この課題ができる子は、物を抽象的にも理解していて、物の名前を聞いた時に「どのような時にどのように使うもの」なのかをイメージする力がついてきています。
What's Diff1
ポイント
このアプリは、上の写真のように、4つのイラストの中から、違うものを一つ探して、右に異動させるアプリです。まったく同じイラストから段々と違うイラストに変化していきます。以下のシリーズ2はより抽象的な概念が必要な仲間外れを探す課題になっています。
Opposites 1
ポイント
このアプリは、「反対」の意味の物をそれぞれマッチングさせるアプリです。
熱い物と冷たい物、上と下など「反対言葉」の理解を促します。
注意するポイントとしては、海外のアプリのため「〇と×」が「✓と×」になっているところで、日本だと「✓」は「テストなどで×」のイメージがあるので、この問題だけは抜かして行うことが望ましいです。