《寄稿》
助動詞ってなんだろう?
最近助動詞を習った中学生、そして高校生の皆さんの中にはきっと、
というように、willやmust、can、may、shouldを思い浮かべた人が多いと思いますが、
そう覚えただけでは、あまり意味がありません。
上記のように、『will=だろう』、『must=~しなければならない』と訳を一生懸命覚えてきた方も多いいかもしれませんが、やっぱりあまり意味がありません。
このように訳だけを丸暗記しても、その文の意味を捉えきれず、伝えたいことが伝わらない可能性があります。
そもそも助動詞って必要?
[st-kaiwa4]実は、まったくそんなことはなくて、とー----っても大事な役割を担っているんです。ちょっと下の文を見てみてください。
① I go to the library.
② I will go to the library.
の違いは、『will』があるかないかです。一見同じ意味にも見えますが、大きく意味が異なります。
①は頻繁に図書館に行く習慣があるという意味を持ち、
②はあまり図書館に行く習慣がない可能性があるとともに、図書館に行くんだ!という思いが感じられます。
③ May I use your bathroom?
④ Can I use your bathroom?
ではどうでしょうか。どちらも直訳したら「トイレを使っても良いですか?」と許可を求める文ですが、
③は借りられるかはわからないけど、聞いてみた。
④は確実に借りられる確信はあったけど、とりあえず聞いてみた。
というイメージです。
今日のまとめ
ポイント
〇助動詞は訳を暗記してもあまり意味がない。
〇助動詞が文に与える影響はすさまじい。
〇似たような訳の助動詞でもニュアンスが大きく異なる。
→助動詞は必要!
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参考助動詞編②『助動詞って何?助動詞の真の正体が明かされる!』
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イラスト提供:Atelier Funipo
執筆者プロフィール
関口あさか
埼玉県の特別支援学校教諭。大学時代に有路憲一氏(信州大学准)の『イメージで攻める英文法ゼミ』1期生。そこで得たノウハウを学校現場に生かし、有路氏と教材開発を行ったり、学習障がいや知的障がいなど学びにくさのある子どもたちにイラストやイメージで学べる英語の授業を10年以上前から行っている。
困難さのある子どもたちへの授業でICTを活用し、その実践が国内外で評価されている。
10年以上前から有路氏と取り組むサヴァン症候群の子どもたちへの実践や調査研究などが最近注目を集めている。
Microsoft認定教育イノベーター2016-2021,Microsoft Innovative Educator Fellow 2020-2021など。
TEDでの登壇映像はこちら
サヴァン症候群のサヴァン症候群の実態調査とその実践的価値
信州大学機関リポジトリ (nii.ac.jp)
ジョーダン・ピアソン
ニュージーランド出身の英語の教諭。
10年以上前から日本の高校・中学校で英語の教員として働いている。
困難さのあるなしに関わらず多くの子どもたちに英語を学ぶ楽しさを届けたいという思いで、関口氏と一緒に重度の身体障がいや知的障がいのある子どもたちへの英語の授業を提供してきた。
最近では、少しずつ日本語もペラペラになってきた。
有路憲一
全学教育機構 言語教育センター 准教授。関口氏が作成しているイラストで学ぶ英文法教材のアドバイザー。
参考文献・引用文献
⑴ 身体感覚と言語 : 身体感覚を利用した言語学習 (有路憲一, 関口あさか)信州大学総合人間科学研究 (12) 194-205 2018年3月7日
⑵ 語彙学習方略における音象徴・音感覚性共感覚の有用性について-音象徴・音感覚性共感覚を活用した語彙学習方略 (有路憲一)信州大学総合人間科学研究 (13) 171-180 2019年3月18日
⑶ 関口あさか「アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法:誰もが学びやすい!感覚やイメージで学ぶ 英語の授業」『特別支援教育の実践情報 2020年6・7月号』