《寄稿》
前回は、『助動詞ってそもそも必要なのか』をテーマに、解説しました。前回のコラムで、「助動詞ってとっても大切!訳を丸暗記しても意味がない!」と皆さんもお気づき頂けたかと思います。
そもそも助動詞って何者なのか?
助動詞は、『気持ち』です!!!
助動詞を理解するうえでもっとも大事なことは、『助動詞が表現しているキモチをつかむ』ことです。
『キモチ』ってなに?絵文字・顔文字と助動詞の関係
上の2つの文はどちらも「今日はありがとう」と書いてある文ですが、最後に『。』が付いているか、『😊』が付いているかの1か所だけが違います。
では、この2つのうち、どの文が主語のキモチがわかりやすいでしょうか?
今回の文も先程と同じように、「それは、どういう意味でしょうか」の文の最後が違うだけです。
①の文はどんな感じがしますか?
②の文はどんな印象を持ちますか?
③の文は相手はどんな気持ちでしょうか?
それそれ考えてみてください。
ちなみに、絵文字は上のようなかわいらしい絵で、LINEやmessengerなどのSNSでのショートメッセージを送る際によく使われています。LINEだと『スタンプ』も同じように自分の気持ちを表す手段として使うことができます。
また、上の写真のような『顔文字』も海外でも頻繁に使われています。
では、なぜ多くの人たちは絵文字を使うのでしょうか?きっと今このコラムを読んでくださっている方のほとんどの方が絵文字や顔文字を使った経験があるのではないでしょうか。
絵文字の役割は、文章に『キモチ(感情)』を添えることです。
もしも、以下のように
「① それは、どういうことでしょうか。」のように絵文字がない場合は、
キモチ(感情)がない文となります。
そして、『助動詞』も『絵文字や顔文字』と同じように、文章に『キモチ(感情)』を添える役割があります。
前回のコラムで使用したこちらの「① I go to the library.」も特に「キモチ(感情)」がない、もしくは感じられない文になります。
具体的には、絵文字・顔文字は、絵(像)でキモチを表します。
一方で、助動詞は、文字でキモチを表します。
ちなみに、
今日のまとめ
ポイント
○助動詞の役割は主語や話者の『キモチ(感情)』を表現すること。
○助動詞が表現している『キモチ』をつかむことが大事。
○絵文字や顔文字と助動詞は、文章に『キモチ』をのせるという点で同じ。
→助動詞=キモチ(感情)
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参考助動詞編③『英語の助動詞が表すキモチ(感情)を捉えよう!』
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イラスト提供:Atelier Funipo
執筆者プロフィール
関口あさか
埼玉県の特別支援学校教諭。大学時代に有路憲一氏(信州大学准)の『イメージで攻める英文法ゼミ』1期生。そこで得たノウハウを学校現場に生かし、有路氏と教材開発を行ったり、学習障がいや知的障がいなど学びにくさのある子どもたちにイラストやイメージで学べる英語の授業を10年以上前から行っている。
困難さのある子どもたちへの授業でICTを活用し、その実践が国内外で評価されている。
10年以上前から有路氏と取り組むサヴァン症候群の子どもたちへの実践や調査研究などが最近注目を集めている。
Microsoft認定教育イノベーター2016-2021,Microsoft Innovative Educator Fellow 2020-2021など。
TEDでの登壇映像はこちら
サヴァン症候群のサヴァン症候群の実態調査とその実践的価値
信州大学機関リポジトリ (nii.ac.jp)
ジョーダン・ピアソン
ニュージーランド出身の英語の教諭。
10年以上前から日本の高校・中学校で英語の教員として働いている。
困難さのあるなしに関わらず多くの子どもたちに英語を学ぶ楽しさを届けたいという思いで、関口氏と一緒に重度の身体障がいや知的障がいのある子どもたちへの英語の授業を提供してきた。
最近では、少しずつ日本語もペラペラになってきた。
有路憲一
全学教育機構 言語教育センター 准教授。関口氏が作成しているイラストで学ぶ英文法教材のアドバイザー。
参考文献・引用文献
⑴ 身体感覚と言語 : 身体感覚を利用した言語学習 (有路憲一, 関口あさか)信州大学総合人間科学研究 (12) 194-205 2018年3月7日
⑵ 語彙学習方略における音象徴・音感覚性共感覚の有用性について-音象徴・音感覚性共感覚を活用した語彙学習方略 (有路憲一)信州大学総合人間科学研究 (13) 171-180 2019年3月18日
⑶ 関口あさか「アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法:誰もが学びやすい!感覚やイメージで学ぶ 英語の授業」『特別支援教育の実践情報 2020年6・7月号』